ハンガリーGP決勝後の記者会見。壇上に並んだのはランド・ノリス、マックス・フェルスタッペン、キミ・アントネッリの3人だった。ノリスは今季初勝利にして通算12勝目、しかもハンガリー2連勝。フェルスタッペンは「まだなぜ自分が2位にいるのか理解できていない」と語る2位。アントネッリは7番手スタートから表彰台まで戻ってきての3位である。
そこに記者から飛んだのが、この質問だった。「マシンとチャンスを踏まえたうえで、今季前半に最高のパフォーマンスを見せたのは誰か」。しかも3人全員に順番に答えさせるという、なかなか意地の悪い振り方だ。
最初に指名されたノリスは「たぶん全員が自分の名前を挙げると思う」と前置きしたうえで、アントネッリの名を出した。いいマシンがあるのは事実だが、それを差し引いても素晴らしい仕事をしている。そして一言、「チームメイトを毎週末、文句なしに上回っている」。タイトル争いを語るならキミを評価するしかない、と。
続くフェルスタッペンもほぼ同意見だった。「前を見ればキミがいい仕事をしている。強いし、堅実だし、チーム内で最も強い。19歳としては驚くほど盤石だ」。ちなみに自身の今季については「ちょっとしたジャングルだった」と表現している。
そして本人。「人を評価するのはあまり好きじゃない」と断ったうえで、こう答えた。「いい前半戦を過ごせたとは思う。でもランドとマックスが言ったように、マシン同士を比べるのは本当に難しい。隣にいる2人のレベルに届くまでには、まだ長い道のりがある」。
ランキングはアントネッリが219点で首位、2位ルイス・ハミルトンに50点差をつけている。褒められたのはキミ。ただ、海外の掲示板が真っ先に反応したのは、その場にいなかった人物のことだった。
「チーム内で最も強い」がラッセルに刺さる
www ジョージ、ランドとマックスの両方から流れ弾を食らってる
当たり前のことを言っただけでも流れ弾って言うのか? ラッセル本人を含めて、全員がとっくに知っている事実だろ
これでジョージは、夏休みの間ずっと自分の不振について語らされる羽目になるぞ
「チーム内で最も強い」……マックス、そこでナイフをひねるのはやめてやれ
流れ弾じゃない。ヘッドショットだ。それも大口径がまともに直撃してる。「チームメイトを毎週末、文句なしに上回っている」って、容赦なさすぎだろ
「今のマシンで誰が本当に速いのかを見極めるのは、ほとんど不可能だ……。まあジョージがダメなのは確かだけど」
面白いのは、Xではこの発言でランドが叩かれてること(まああんなアプリだけど)。何も間違ったことを言っていないのに炎上してるの、笑えるし意味がわからん
ジョージは「2024年のマクラーレンに乗っていたら楽勝で勝てた」と言ったし、昨シーズンも「マクラーレンは全戦勝って当然だった」と何度も口にしていた。自分の勝利を大きく見せるためにね。あれは遠回しな嫌味じゃなく、露骨な当てこすりだった。開幕戦オーストラリアの後にランドが接近戦の速度差の危険性を指摘したときも、会見で振られたジョージの返しは「ベストなマシンに乗っていないからそう言っているだけだ」だった。マックスについても過去に散々言ってきた。正当な指摘もあったが、そうでないものも多かった。今さらランドとマックスに「キミの方がいい仕事をしている」と言われても、あまり同情する気にはなれない
同じマシンでも比べられない2026年
今はチームメイト同士の比較すら難しい。それぞれのPUがどういう状態なのか、外からは分からないんだから
レギュレーション初年度ならなおさら無理だ。アップデートが次から次へと投入されるせいで、チームメイト同士ですら同じ仕様のマシンに乗っていないことが多い
王者になってからのノリス
タイトルがランドに何をもたらしたかを見るのは、なかなか気分がいい。今の彼は「まともなマシンさえあれば結果を出せる」と自分で分かっているタイプのドライバーになったし、走りにも自信が出ている
自分がどれだけ速いかを自覚しているランドは、見ていて本当に楽しい。そのおかげでさらに強くなっている気もする。速さはもともと持っていたわけだしね
昨年タイトルを獲ったことで、彼は自虐的な考え方を手放せたんだと思う。オスカーがオランダGPで勝った時点では、ノリスがタイトルを獲ると思っていた人は多くなかったはずだ。正直に言えば自分はオスカーかマックスに獲ってほしかった。それでもノリスは這い上がってきた。それは素直に称賛に値する
とはいえ、ランドには大きな弱点が2つあった。ひとつはホイール・トゥ・ホイール。ここはまだ克服できていない(今回本当にピアストリよりペースがあったのなら、そしてギアボックスが壊れる予兆を感じていたわけでないのなら、やはり課題は残る)。もうひとつは自信で、こちらは明らかに改善した。
彼はずっとクリーンエア型で、前が開ければ驚異的なペースを出す。ただマシンのポジショニング、特に1周目はこの実力のドライバーとしてはかなり拙い(スタート後にいろいろと起こさせすぎる)。バトルも得意ではなく、たいてい長いストレートの終わりで仕掛けるだけで、慎重すぎる。
面白いのは、ランドが苦手な領域こそピアストリの得意分野で、逆にピアストリはランドの強みの部分が弱いこと。マクラーレンは自前のフェルスタッペンを持っているようなものだ。問題は、それが2人に分かれていることだけど
個人的には、ランドのバトルの弱さは過大評価されていると思う。オスカーの方が上なのは確かだけど、みんなが思っているより差はずっと小さい。ハンガロリンクはそもそも追い抜きが絶望的なコースで、同じマシン同士、しかも前のドライバーがこちらの動きを完全に読んでいる状況ではなおさらだ(相当なペース差が必要になる)。今回を除けば、今季ランドがバトルで苦しんだ場面はあまり思い出せない。カナダでは抜ける相手を全部抜いたし(しかも2回)、マックス相手にも駆け引きで上回る場面があった。以前はできなかったことだ。
ただ、もう少しリスクを取ってもいいとは思う。他の2人に比べると、仕掛け方が保守的だ
オープニングラップでの慎重さは、賢い走りとも解釈できる。勝てるマシンがあると分かっているのに、なぜ1コーナーでリタイアのリスクを背負って全か無かの勝負をする必要がある? 自分がチーム代表なら、1周目の鬼みたいなドライバーより、こういうタイプを抱えていたい。
ワールドチャンピオンは冷酷で自己中心的で攻撃的でなければならない、という思い込みに対して、ランドは新鮮な存在だと思う
悪いけど、もう彼にとってバトルは課題じゃないと思う。タイトルを死守するために昨年のアブダビで追い上げた走りを思い出してくれ。あれをやったのがマックスだったら、みんな絶賛で大騒ぎしていたはずだ
話はピアストリとの比較に飛び火
キミ、君はもう2人より上だよ。キミとオスカーは世代を代表する才能になりつつある。この2人の若手をこれから何年も見られるF1は幸運だ
ランドとオスカーは1歳も離れていないし、現時点ではランドの方が明確に上だ
でもオスカーは、4年目のランドより速いだろ
それ、どうやって測るんだ……
そうとも言い切れない。2022年のランドは素晴らしかったし、何より安定していた
ノリスは1999年11月生まれ、ピアストリは2001年4月生まれで、実際の年齢差は1年5か月ほどある。
19歳の謙虚さに集まる好感
これはこの競技のトップレベルで戦う人間なら誰もが持つメンタリティだと思う。「いい仕事はできたが、まだ足りない」というやつだ。ただ、それをランキング首位を大きくリードしている状況で口にしたというのが、彼のメンタルの良さをより物語っている
それな。一方で「ユーロはワールドカップみたいなもの」とか言いながらブルートゥースゴールを量産している、某ホームランダー・ロナウドみたいなのもいるわけで
デビュー当初からずっと好感度が高くて、SNSという地獄の中ですら彼の悪口を見つけるのが難しいくらいだ。才能と謙虚さの組み合わせは強い
謙虚で情熱的、いい資質だよキミ。その一方でジョージはいつも通り流れ弾を浴びている。あの人、本当に休まる時がない
タイトル最有力候補としては珍しいくらい、好感の持てる人物だ
去年のルーキーは全員めちゃくちゃ好感度が高いんだよな
気のせいか、直近の印象に引っ張られているだけかもしれないけど、キミはメンタル面の成長がものすごく速い気がする。単なるPR研修の成果には聞こえない。
最初のうちは初勝利の高揚感で明らかに浮かれていたし、少し攻撃的でもあった。でも今は、やらかした後のトトとの対話や、身近にマックスがいる環境が効いて、暴走した自我に振り切れずに済んでいるように見える。
このままドライバーとしても人間としても伸び続けたら、本当に新しい世代のスーパースターの誕生に立ち会うことになる
本当に驚異的だよ、少年。君は偉大なドライバーの一人になる
キミ「これでもまだ最終形態じゃない……」
アントネッリは余裕が出てきたな~
恐るべき19歳だ・・・
出典:r/formula1

