角田裕毅 2027年ハース候補に浮上 オコン放出論とトヨタ提携が交錯

レッドブルのリザーブドライバーを務める角田裕毅が、2027年シーズンの移籍候補として急浮上している。後任に名前が挙がっているのは、ハース。エステバン・オコンの契約が今季限りで切れること、そして小松礼雄チーム代表との関係悪化が報じられたことを背景に、海外メディアが一斉に「角田‐ハース」の組み合わせを取り上げ始めた。一方で、ハースは2026年からトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)を冠スポンサーに迎え「TGR Haas F1 Team」へと改称している。ホンダの後ろ盾を受けてきた角田にとって、この日本メーカー同士のライバル構造は、無視できない壁として浮上しつつある。

マイアミGPで深まった小松・オコンの溝

火種となったのは、5月のマイアミGP週末に報じられたオコンと小松代表との衝突だ。Formula Live Pulseは、モータースポーツジャーナリストのジャッキー・マートンスの発言として、両者の関係が再び悪化したと伝えている。マートンスは「今週末、エステバン・オコンとチーム代表の小松との間でまた揉めごとがあったと聞いている。彼にはたくさんの問題があった。アルピーヌが彼を放出した理由でもある」と語った。

オコンの現契約は2026年シーズン末に満了する。今季ここまで4戦を消化した時点で、オコンはドライバーズランキング16位(1ポイント)にとどまり、ルーキーのオリバー・ベアマン(8位、17ポイント)に大きく水をあけられている。2025年シーズンもベアマンに上回られており、ハースの首脳陣が我慢の限界に達しつつあることは想像に難くない。

ハース側の事情と角田の名前が結びつく理由

後任候補として角田の名前が挙がる根拠は、単なる消去法ではない。小松代表は以前から角田を高く評価しており、2026年のシート獲得に向けても候補に挙げていた経緯がある。日本人同士という共通項に加え、レッドブルから外れた現在の角田はフリー要素が増えた立場にある。Formula Live Pulseは「マートンスはパドック内の角田移籍観測について、ホンダ側も『F1のシートが手に入るなら手放すことに前向き』との見方を紹介した」と伝えている。

角田自身、リザーブ転落の発表後に「まだ終わっていない。2026年にレースシートがないと知った時は本当につらかったが、レッドブルでテスト&リザーブとして以前にも増して努力し、グリッドに値する存在であることを証明する」とコメントしている。本人の意思は「F1への完全復帰」で一貫している。

浮上する「ホンダ対トヨタ」の構造問題

ただし、ここで障害として立ちはだかるのが、ハース=トヨタ陣営という新しい構造だ。ハースは2024年10月にTGRとの技術パートナーシップを発表し、2026年からは冠スポンサー契約に発展、チーム名も「TGR Haas F1 Team」に変更された。シミュレーターの新設、TGRハース・ドライバー育成プログラムの始動など、トヨタは単なるスポンサーを超えてドライバー育成にも踏み込んでいる。

記者のジュリアンヌ・セラソリは「私の疑問はホンダとトヨタの問題だ。トヨタがホンダを出し抜こうとしたのか。ホンダが角田のハース入りを許すのか」と疑問を呈している。さらに「トヨタはハースへの投資を始めたとき、若手ドライバーへの投資を増やし、自前で角田のようなドライバーを育てようとしていた。社内では『なぜ自社の育成にカネを使ったのか』という疑問が出るだろう」と、トヨタ社内のロジックにまで踏み込んだ。

一方で、トヨタ・ホンダの両陣営とも、欧州メディアの取材に対しては「障害にはならない」という主旨の説明を行っているとされる。表向きには両者が距離を保てる構図だが、契約の最終局面でどう作用するかは別問題だ。

もう一つの選択肢、アルピーヌの可能性

角田陣営はハース一本に絞っているわけではない。Formula Live Pulseの報道では、アルピーヌも候補として挙がっている。アルピーヌは2026年からメルセデスPUを搭載し、新レギュレーション下でパフォーマンス改善の兆しを見せている。フランコ・コラピントが結果を出せなければ、シートが空く可能性がある。

もう一つのプラス材料は、角田とピエール・ガスリーの良好な関係だ。AlphaTauri時代をともに過ごし、コミュニケーションは確立されている。一方で、ハースと比較すると、アルピーヌは新加入のリザーブドライバーであるアレックス・ダンが先に列に並んでいる点が懸念材料となる。

他チーム移籍組と比較する角田の立ち位置

過去の「レッドブル系列を離れて他チームに移籍した日本人ドライバー」の事例として直接比較できるケースは多くない。一方、レッドブルからの放出を経て中堅チームで再起したドライバーで言えば、ピエール・ガスリーが2023年にアルピーヌへ移籍し、初年度から表彰台を獲得した先例がある。角田が同様の「移籍即フィット」を実現するためには、PUと車体の相性、チーム代表との人的関係、そしてバックボーンとなるメーカーの政治判断が揃う必要がある。

今後の注目ポイント

・カナダGP以降のオコンのパフォーマンス。ベアマンとの差が縮まらなければ、夏休み明けの時点で離脱の方向性が固まる可能性がある。

・角田陣営とハース、アルピーヌ双方との水面下交渉のタイミング。F1の移籍交渉は夏休み前後で本格化する慣例があり、6〜8月の動きが焦点となる。

・ホンダとトヨタ、両陣営の公式コメント。「障害ではない」という現状の発信が、具体的な契約調整の段階でどう変化するかが鍵を握る。

・レッドブルの判断。2026年シーズンの動向次第で、角田の他チーム移籍をマルコが「放出」とみなすか「貸し出し」とみなすかが、移籍構造そのものに影響する。

出典:Formula Live Pulse

https://blog.f1livepulse.com/yuki-tsunoda-haas-candidate-ocon-komatsu-fallout
https://blog.f1livepulse.com/yuki-tsunoda-eyes-2027-f1-return-alpine-haas-options

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