ホーナー「エンジニアは最速ドライバーに引き寄せられる」 マシン開発の裏話

レッドブルの前チーム代表クリスチャン・ホーナーが、人気ポッドキャスト「High Performance」に出演。在任中のマシン開発がマックス・フェルスタッペンの走りに寄っていったことを、率直に語った。

ホーナーいわく、フェルスタッペンはフロントのグリップをどこまでも求め、リアがどう動いても対処できてしまう特殊な能力の持ち主。その要求に応えようとすれば、開発の焦点も自然とそちらに向かう。どのエンジニアリングチームも最速のドライバーに引き寄せられるものだというのが本人の説明である。

2022年の裏話では、2021年はタイトル争いにリソースが集中したため、RB18はリザーブだったアレクサンダー・アルボンが裏で開発を進めたマシンだった。ペレスやダニエル・リカルドに近い、クラシックな走り方向けに仕上がっていたという。シーズン序盤はアンダーステアが強く、フェルスタッペンはこのマシンを嫌っていた。潮目が変わったのは、ペレスがモナコGPで勝った直後の2022年アゼルバイジャンGPの頃。ホーナーはフェルスタッペンのマネジメントとの話し合いで、「このマシンはチェコ(ペレス)中心に開発されている。マックスが必要とするものに合わせるべきだ」と言われたと明かしている。

エースに合わせて何が悪い、が多数派

たとえ陰謀論にどっぷり浸かったとしても、マシンが”仕上がってる”ときのフェルスタッペンは確実にぶっちぎるって事実は残る。だからこれは正しいんだよ。マシンさえ合えば勝つんだから、裏話を信じようが信じまいが、そっちに賭けるのは理解できる。The Race(英国のF1メディア)が書いてたパドックの共通認識を思い出すな。「レッドブルはフェルスタッペンが見せるほど良いマシンじゃないし、セカンドドライバーが見せるほど悪いマシンでもない」ってやつ。その文脈で見れば、今回の話は全部それと一致してる。

ナンバー2のために、ナンバー1ドライバーと勝利とタイトルを犠牲にするチームなんてどこにもない。

「マックスは最大の資産だ。勝てる可能性が一番高いドライバーだ。だから当然、どんなエンジニアリングチームも自然と最速ドライバーに引き寄せられるし、チームは最高の結果をもたらすと思う方に寄っていく」これがインタビューの一部。そして彼は正しい。レッドブルのリードドライバーはマックスで、実際にチームに結果をもたらしてきた。結局チームにとって大事なのはそれだけ。セカンドドライバーにとっては不公平か?まあそうだね。でもこのスポーツが公平だったことなんて一度もないし、誰がチームリーダーでマシンが誰を中心に作られるのか、はっきりしてた時代は何度もあった。

それが正しいやり方でしょ?他のスポーツでも、一番いい選手の一番いい部分を引き出すことを優先する。勝つためには当然。サッカーでストライカーが神がかった俊足なら裏へのボールを増やすし、足は遅いけど体が強いなら足元に当てる。

これが正しいアプローチだってことは死んでも譲らない。尖ったマシンならマックスが0.2〜0.3秒引き出せるかもしれないのに、なんでそれを捨ててセカンドドライバーに合わせなきゃいけないんだ?競技的な観点で、レッドブルにそうする理由はない。しかもRBは昔からコンストラクターズよりドライバーズタイトルを重視してきたし。マックスがレッドブルにあれだけ忠実なのもそれが理由。0.1秒を稼ぐためにドライバーにここまで尽くすチームは、RB以外にない。

いや、RBだけが特別ドライバーズ重視ってわけじゃないでしょ。ドライバーズよりコンストラクターズを取るチームなんてない。ドライバーズの方が昔から価値が高いし、スポンサーも集まる。2021年にメルセデスがコンストラクターズを取ったときも、2024年にマクラーレンが取ったときも、みんなそこまで気にしてなかった。どっちのシーズンもハイライトはマックスのドライバーズタイトルだった。

ストップウォッチは嘘をつかない。扱えるドライバーが乗れば、尖ったマシンはそうじゃないマシンより必ず速い。マックスもセカンドドライバーも接近してるけど良くて6位と8位か、マックスがタイトル争いをしてセカンドドライバーは戦略判断用にタイヤのコンパウンドを試すか。マーケティング重視の会社なら後者を取るね。

チームの仕事は、マシンをできる限り速くすること。ドライバーの仕事は、それを走らせて状況に適応すること。フェルスタッペンは扱いにくいけど速いマシンを走らせるのが明らかにうまい。だから遅いペレスとその弱点に合わせて、わざわざ遅いマシンを作る必要はない。それはレースの精神に反してる。

チーム代表として、なんでホーナーはフェルスタッペンを放り出して、アルボンとかリカルドみたいなドライバーを雇ってペレスと組ませ、2人に合うマシンを作らなかったのか?ああそうか、正気を失ってなかったからだ。彼らは作れる限り一番鋭くて一番速いマシンを作った。それを扱えたのは、スキルのあるマックスだけだった。

まあ、考えれば筋は通ってる。自分がチーム代表なら、10回中11回はマックス向けにマシンを開発するね。勝つか圧勝するって分かってるんだから。両ドライバーに合わせて作って、どっちかが勝つのを祈るなんて意味がない。ペレスはもっと勝てたかもしれないけど、勝てなかったかもしれないし、マックスが苦戦して、後続に20秒以上の差をつけることもなくなってたかもしれない。

速い方のドライバーのインプットでマシンを作ってない、ってチームが言うのが未だに信じられない。なんでわざわざ自分にハンデを課すんだ?速い方のドライバーにもプラスにならないなら、なんで遅い方のご機嫌を取る必要がある?選手とチームの目標を天秤にかけるゲーム、誰もやったことないの?考えるまでもないし、遅い方は残念でしたってだけ。映画『マネーボール』でブラッド・ピットも言ってた。「適応か、死か」

GT500の雨中走行が再び引き合いに

ほんとそれ。マックスが乗ってるGT3マシンを見てみなよ。そりゃ空力の調整は多少できる。でもマシンはBoP(性能調整)、シリーズの規則、メーカーの開発に従ってる。ドライビングスタイルがどうだろうと、そこは誰にもどうにもできない。それでマックスは即座に適応した。

雨の中で日本のGT3マシンをテストして、そのシリーズを戦ってるプロドライバーのタイムを完全に粉砕した動画があったよね。コンマ何秒じゃなくて秒単位で。

これがその動画。初めてのSUPER GTマシン、初めてのサーキット、土砂降りの雨の中、しかも相手は自分のマシンに乗ってるプロドライバー。偵察で1周走って、2周目で0.1秒以内、3周目には1.785秒速かった。

100%そう。動画見れば分かるけど、あの日本人ドライバー、マジでビビってたからな。

論点としてはむしろあなたの言う通りなんだけど、あれはGT3じゃなくて、SUPER GTのGT500マシン。DTMがGT3に移行する前は同じ規定を共有してたやつ。実質プロトタイプで、エンジンはスーパーフォーミュラのものだよ。

GT3をやったことで、”速いマシンに乗ってるだけ”って言ってた人たちにも、彼が純粋に史上最高クラスのレーサーの1人だって証明された気がする。

それがとっくに明らかじゃなかったってのが信じがたいけどね。まあ、もともと分かってた人たちにとっては、さらに裏付けが増えたのは確か。理解に苦しむよ…

これはいつも言ってる。シムでもいろんなマシンに乗ってるのに、ほぼ毎回、その車種を専門にしてる人たちと比べても最速か同等のペース。現実のGT3での活躍も同じ。それでも未だに”自分に合うマシンしか乗れない”って言う人がいる。実際は何にでも適応してるし、個人的には”彼に合うマシン”ってのは理論上ほかの選択肢より速いんだと思う。ただ、ほとんどの人には扱えないだけで。

本の宣伝では?と冷めた視線も

彼は言える限りの物議を醸すことを全部言うよ。このPRツアーの目的は、本の中のドラマをもっと読ませることなんだから。

これは物議でも何でもない。いろんな筋から、ずっと前から知られてたことだよ。

F1ドラマ界隈において、これほど中身のない話はない。

それに、スレ主が”何年も否定してきた”って考えをどこから得たのか分からない。彼は同じことを何度も言ってる。2025年3月のインタビューがこれ。「(マックスは)常にマシンのフロントをもっともっと、と求めてくる。そしてもちろん、常に速い方のドライバーの方向に従っていくもので、それが開発面で組織を引っ張っていく」

“ホーナーはいつも嘘をつく”から”ホーナーは真実を語ってる”に、自分の意見と一致した途端に乗り換える人たちがいるの、ほんと好き。

速いマシンほど尖っている、2022年序盤の謎

ていうか、アンダーステアが強すぎるマシンはそもそも遅いからなw 速いマシンを作るためにシミュレーションデータが何を示してるか、みんな知ってる。バランスが取れてて鋭いこと。それを乗りこなせるかどうかはドライバー次第。

とはいえ、2022年の最初の4分の1や2023年の序盤みたいに、チェコ(ペレス)がかなり近かった時期もあった。その後で明らかに何かが変わった。マシンがチェコのスタイルに合ってるときは、少なくともある程度はついていけて、表彰台にも定期的に上がれてたのが分かる。その時期は予選ペースもずっと良かった。

自分の理解では、速いF1マシンってのはピーキーで予測しにくいマシンのこと。だからマシンの挙動が素直で(そして遅い)ときは、ペレスもマックスと同じくらい速く走れた。それを速くした(ピーキーにした)ら、効果的に扱えるのはマックスだけになった。

まさにそれ、レギュレーションやシーズンの始まりで、マシンが元々アンダーステア傾向だった時期だよね。その元々のアンダーステアが軽量化や空力アップデートで消されると、差が広がる。人間が制御できるかどうかは別として、理論上マシンはオーバーステア寄りのバランスが一番速い。セッティングでアンダーステアをある程度入れなきゃいけないのは人間の限界のせい。ドライバーが上手いほど、必要なアンダーステアは少なくて済む。

“Loose is fast(リアが滑りやすいマシンは速い)”ってのはモータースポーツ全般で言われることだね。問題は、そういうマシンほど運転が難しいってこと。

“マシンは常にマックス向けに開発されてた”って言いながら、RB18はマックス向けじゃなかったって言ってるんだけど…じゃあ”常に”じゃないよね?

実際の発言はもっとニュアンスがある。2022年のマシンがアルボンを中心に作られたってのはたぶん本当で、それならペレスが時々戦えてた理由の説明にもなる。物議を醸すのは、2023年にフェルスタッペンの近しい人たちが、なんでチェコに合うマシンを作ったんだってホーナーに詰め寄ったって部分で、本当ならちょっとヤバい。チーム内政治やロビー活動は、片方のドライバーの後ろ盾が強いと不公平を生みうる。その後ろ盾が純粋にパフォーマンス由来じゃないならなおさら。

やはりフェルスタッペンのマシンコントロールはずば抜けているんだな

出典:r/formula1

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