Redditに投稿された一枚のオンボード画像が話題を呼んでいる。被写体は、フェラーリ SF-26 のエンジンカバー後部から立ち上がるシャークフィンの上端。その縁が、ノコギリの刃のようにギザギザに刻まれている。
「なんでトゲトゲしてるの?フロー分離を起こしてリアウィングのドラッグを増減させるためかなと思ったんだけど、誰か本当の理由知ってる?」というシンプルな問いかけに、サメの如く住人たちが食いついた。
このギザギザ、実は SF-26 のローンチ時点から海外メディアが注目していた個性的な造形でもある。The Race や Autosport、は「セレーテッドエッジ(serrated edge)」と表現し、リアウィングへ流れる空気を整えるための仕掛けだと解説していた。エッジから渦が転がり落ち、各ギザギザ形状の分だけ小さな渦が発生するというのが基本的な見立てだ。
ギザギザは「渦の分割装置」
大きな渦が一発でドカンと当たる代わりに、小さな渦をたくさん飛ばしてリアウィングに流すんだ。フェラーリにとっては、そのほうが損失や剥離が少ないという結論になったんだろう。
あー、なるほど。自分が思ってたのとは全然違ったわ、ありがとう(笑)
エッジから細かい渦を生成してるんだよ。
渦の形をコントロールするためのもの。
「空気を切り刻んでる」わけじゃないからな。
いや、ある意味では切り刻んでるとも言えるけどね。
解説者紹介(Kyle EngineeringとB Sport)
YouTubeに Kyle Engineering ってチャンネルがある。あの人がフェラーリのこのあたりを実際に解説してるよ。観る価値あり。
Kyle Engineering と B Sport。あの2人が俺のお気に入りF1系チャンネル。
Kyle Engineering(Kyle Forster)は航空宇宙工学のバックグラウンドを持つYouTuberで、F1のエアロディテールを丁寧に解説するチャンネル。B Sport(KP Aerospace改めB Sport)はマクラーレンとフォース・インディアでエアロエンジニアとして働いた経歴を持つピーター・ブラウン氏が運営するチャンネル。
(「B Sportの解説はなんかアマチュア臭い。アマチュアレベルのエアロガイ」という否定コメントに対して→)あの人、実際にF1チームで働いてたんだぞ。
“F1 eLiTe” っていう名前のサブレディットのモデレーターが言いそうなセリフだな。優越感マウント、落ち着けって。
マクラーレンとフォース・インディアで働いてた元エンジニアを「アマチュア臭い」呼ばわりするって、よく言えたもんだな。
「小さな渦のほうがいい」って、結局どういうこと?
コーナリング中にちょっとでもヨー(横方向のズレ)が入ると、フィンからドカンと大きな渦が剥がれ落ちる。ギザギザはその渦を細かく分割して、リアウィングへの空気の流れに与える影響を最小限にしてるんだ。
OK。じゃあ、なんで小さな渦のほうが望ましいの?
君は1個の大きな岩に殴られたい?それとも、小さな小石をいくつか当てられたい?
もし合計エネルギーが同じなら、大きさは関係なくない?俺は外傷専門医じゃないから知らんけど。
リアウィングへの空気の流れがより予測しやすくなるんだよ。
大きな渦がエッジを「乗り越える」ような形で発生するのを、複数の小さな渦に砕いてしまうんだ。それぞれの渦は段差の高さ分だけオフセットしているから、流れの向きは互いに逆向きになって打ち消し合う。歯車が噛み合うのと同じ理屈だな。
異業種からの考察 サーフィン、配管、風車
このウィングについては詳しくないけど、俺は前にサーフボードのフィンをそこそこ長いこと作ってた。
このギザギザのエッジで渦が生まれるだけじゃなくて、それぞれの先端が独立してたわむことで、各渦がちょっとずつ違う角度でウィングに当たって、瞬間的にウィングへ加わる力もさらに分散されてるんじゃないかな?
空気にどっちに行けばいいのか分からせるために、矢印を描いておけばいいんだよ。配管エンジニアの俺としては、パイプの内側に水のための矢印を描いておきたいくらいだ。(古いメカ系ジョークね)
エアロのためだろ。風力発電機のブレードの先端にも同じようなギザギザが付いてる。
F1とWEC、過去にも似たやつあったよね
記憶違いかもしれないけど、WECのマシンって何年も前にこの答えに辿り着いてなかったっけ?
F1もそうだよ。2010年代初頭のシャークフィンにはギザギザのエッジが付いてたし、それより前にもあった気がする。
あー、確かにそうだったな!
結局のところ、テストしまくった結果がこれ
追加質問。なんでこんなに分厚いの?もっと薄くできないの?重量削減にはならないのは分かるけど、必要以上に分厚く見えるんだが。
切り欠きを使ってドラッグの量をコントロールできるんだ。鋭利なエッジは小さな渦を生み出すが、それは1個の大きな渦よりも遠くまで伝播していく。
空気が「分離するかしないか」で迷わないようにするためだよ。結果としてドラッグが減る。後ろに引きずるパラシュートが小さくなるわけだ。
ヨー条件下での渦度の分解処理。結果として、リアウィングに到達する流入空気がよりクリーンになる。だから、ドラッグの一部削減に加えて、リアウィングの安定性も向上する。
これはフィンの最大高さに関するレギュレーションの規定通りに作られてるから、結局あの形になるんだよ。ルールに正確に従った結果として、あのギザギザの輪郭が出てくるってわけ。
*低い声で*なんでトゲトゲしてるの?
テストをしまくった結果、これが一番効いたから。
コーナリング時にリアウイングにあたる渦を分割するためだよな
出典:r/F1Technical
https://www.reddit.com/r/F1Technical/comments/1t2s088/why_spiky/

