PU比率60:40で予選は2秒速くなる? 2028年仕様を試算した結果

2026年から始まった新しいパワーユニット(PU)規則では、エンジン(ICE)と電気モーター(MGU-K)の出力比がおよそ53:47になった。電気の比重が一気に増えたぶん、1周のどこで充電してどこで使うかというエネルギーマネジメントがラップタイムに繋がる。

比率が60:40になるとラップタイムはどれだけ変わるのか。スレ主は同じクルマに2026年仕様と2028年仕様のPUを積んでシルバーストンの予選ラップをそれぞれ計算し、2026年イギリスGPで実際に記録されたポールラップと並べてみせた。

比較対象となったのはシルバーストン。全開区間が長く、強いブレーキングで充電できる場面が少ないサーキットだ。FIAは予選の1周あたりの最大回生量を当初予定の7.5MJから6.5MJに引き下げており、スーパークリッピングの度合いを和らげる狙いだと報じられた。この条件下でのポールタイムは、メルセデスのキミ・アントネッリが記録した1分28秒111だ。

上段は1周の中の位置ごとの速度を表し、青がアントネッリの実際の走り、緑がシミュレーション。下段は両者の速度差で、0より上の緑はシミュレーションの方が速い区間、下の赤は実車の方が速い区間を示す。2026年仕様のグラフでは青と緑がほぼ重なり、モデルが実車の走りに近いことがうかがえる。2028年仕様のグラフになると、コプスからマゴッツにかけてやハンガーストレートといった高速区間で、シミュレーションモデルの緑が青を大きく上回る。

そして、2028年仕様が弾き出したタイムは、1分25秒台。

項目2026年2027年2028年
ICEの最大出力400kW420kW450kW
燃料流量(2026年比)基準+5%+13%
MGU-Kの最大出力350kW300kW300kW
MGU-Kの最大出力(オーバーテイクモード)350kW350kW350kW
最大回生出力350kW375kW400kW
出力比(ICE:MGU-K)53:4758:4260:40

2028年仕様のタイムと車速

ラップタイムはこうなった。実際のポール:1分28秒111/2026年版シミュ:1分27秒616(1周あたり回生6.5MJ)/2028年版シミュ:1分25秒503(1周あたり回生7.0MJ)。シミュレーションによれば、2028年のPUならコプスとマゴッツへの進入で約25km/h、ハンガーストレートで約20km/h速く走れる。

コプスは高速の右コーナーで、その先にマゴッツ、ベケッツ、チャペルと続く高速の連続コーナーがある。チャペルを抜けた先の長い直線がハンガーストレートで、突き当たりのコーナーがストウ。タイムを比べると、2026年版シミュの時点で実際のポールより0.495秒速く、2028年版シミュはそこからさらに2.113秒縮めている。

本当ならデカいな。アストンもついにストレートでF2より速くなれるかもしれない。

ダウンフォースが減る2027年以降をどう織り込むか

面白い試みだね。ひとつ言っておくと、こういう決定は(たいていは、というか本来は)単独で決まるものじゃない。今回のPU比率の変更も、ダウンフォースとドラッグを減らすための2027年以降の規則変更とセットで決まってる。そっちもシミュレーションの肝を確実に変えるはずで、コーナースピードだけじゃなく最高速や回生にも響く。それがどの程度なのか、そこが一番面白いところだと思う。

同感。グリップやダウンフォースと、使える回生量の結びつき。そこが一番面白いところなんだよね。自分は、2028年までにチームが失ったダウンフォースを取り戻して、2026年と同じくらいのレベルに戻っていると想定した。実際はそれより少ないか多いか(歴史的に見ればたぶん多い、笑)だろうけど、ひとつ確実に言えるのは、ドラッグは間違いなく減るってこと。

ああ、それは妥当な想定だと思う。FIAが規則サイクルの途中で入れる調整のやり方ともぴったり合ってる。サイクルの終わりにチームがどこまで速くなっているかを予測して、マシンの速さがサーキットのグレード1要件の枠内に収まるようにするんだよね。

2027年からは空力規則も手直しされ、リアウイングの小型化やフロア前端の変更などでダウンフォースが削られる。タイヤへの負荷を抑えるとともに、コーナー速度の伸びが直線で使える電気エネルギーを食ってしまう問題を和らげる狙いがあると、伝えられている。

グリップで限界が決まるコーナーで、2028年仕様が軒並み遅くなってるのはなんで?

たしか来年、ダウンフォースを減らすちょっとした規則変更があるからじゃないかな。

それは知ってる。でも、このモデルはそれをどうやって数値化して織り込んでるの?

ギア比は自由化されるのか

ちょっと話についていけてないんだけど、ギア比も自由化されたんじゃなかったっけ? 今のギア比固定がどれだけバカげてるかを考えると、ラップタイムにもかなり効くはず。

シーズン中に1回だけギア比を変えられる、ってところまでだね。変えたら残りのシーズンはそれで固定。だから、そういう意味では相変わらずバカげてるよ!

F1では前進8速のギア比を事前に申請し、原則としてそのままシーズンを戦う。2026年は各チームにシーズン中1回だけギア比を変更できる「ジョーカー」が認められており、アウディはイタリアGPでこれを使った。

手作りシミュレーションの中身

シミュレーションのクルマのほうが速いのはなぜ? コーナーでの平均速度が高いから?

たぶんそう。使ったのは準定常(Quasi-Steady State)モデルで、ヨーレートや横滑り角なんかは組み込んであるけど、サスペンションの動きやピッチ、ロールは考慮してない。だから一部のコーナーで少し速くなる。それでも十分な精度は出てると思う(そう願いたい)。

いい仕事! 既存のモデルを使ったの? それとも式を全部自分で書いたの?

PUの規則まわりは自分で書いた。PUの制限とか、ランプダウンレートとかね。タイヤモデルと車両の運動そのものは、ネット上にある既存のソースを手当たり次第かき集めて使ってる。サーキットの座標もGitHubのデータベースから取ってきた。

すごく面白い! よかったら、どうやってシミュレーションしたのか教えてほしい。何のプログラムを使ってるの?

CasADiとIPOPTを使って、Pythonで最適化プログラムを書いたんだ。タイヤとパワートレインのモデルを組み込んである。

ラップタイムの差分グラフも見てみたいな。

基準にしたのはメルセデスのPU

2026年仕様のPUって、ADUO込み?

メルセデスのエンジンをベースラインにしてる。最高速、ギア比、シフトする速度も含めてね。

ストウ手前のスーパークリッピングは消えるのか

てことは、ストウの手前のスーパークリッピングは相変わらずってこと?

で、スーパークリッピングは起きるの? 起きるなら、このルールは最悪だわ。

このシミュレーションを見る限りではスーパークリッピングは消えていないように見えるな
ただFIAもスーパークリッピングの見栄えが悪いことは理解しているだろうし、無くなりそうではある
どうなるか見てみよう

出典:r/F1Technical

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1 Comment
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通りすがりのF1ファン
通りすがりのF1ファン
18 日 前

興味深いですね
本当に2秒早くなるのか、他のところで帳尻を合わせてくるのか気になります

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