フェラーリ「マカレナウイング」を鈴鹿で再投入へ 中国GPのデータに手応え、モンツァでPUテストも計画

フェラーリが中国GPのフリープラクティスで投入した革新的なリアウイング「マカレナウイング」が、次戦の日本GPでも再びSF-26に搭載される見通しだ。中国では実戦投入こそ見送られたものの、チームは取得したデータに手応えを得ており、鈴鹿での本格運用に向けて準備を進めている。

マカレナウイングは、2026年レギュレーションで導入されたアクティブエアロ(可動空力装置)の中でも、フェラーリ独自のアプローチとして注目を集めている。通常のチームがDRS時代と同様にフラップを開閉するシンプルな方式を採用する中、フェラーリはリアウイングのフラップ全体を軸ごと回転させる「フリップ式」を開発。この独特の動きから「マカレナ」のニックネームがついた。

中国GPでの経緯 テストは「計画通り」

中国GP週末はスプリントフォーマットだったため、走行枠はFP1の1セッションのみ。シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンの2台にマカレナウイングを装着し、データ収集に注力した。しかし、スプリント予選以降は通常仕様のウイングに戻している。

この判断について一部では「ウイングが却下された」との声も上がったが、チーム代表のフレデリック・バスールはこれを否定。もともと中国での実戦投入は予定しておらず、データ収集が目的だったと説明している。パーツの走行距離を積むためにFP1を活用したと述べ、鈴鹿でも同様のテストを行う方針を示した。

実戦投入を見送った理由は主に2つある。まず、メルセデスとのストレートスピード差が大きく、マカレナウイングの性能向上だけでは埋めきれないと判断されたこと。次に、信頼性への懸念だ。チーム内部では信頼性について「95%の確信」があったとされるが、単一のアクチュエーターに依存するシステムであるため、万一の故障がリタイアに直結するリスクを冒す価値はないと判断された。

浮き彫りになった課題 前後ウイングの同期

中国GPのテストで明らかになった最大の課題は、フロントとリアの可動ウイングの閉じるタイミングにズレが生じていたことだ。2026年レギュレーションでは、直線で前後のウイングがロードラッグ(低抵抗)モードに移行し、コーナー手前で元に戻る。この前後の同期が崩れると空力バランスが不安定になり、ハミルトンがFP1でスピンを喫した一因にもなったとみられる。

フェラーリのエンジニアは、フロントウイングの方がリアよりも速く閉じてしまう現象を確認。この不均衡を修正するためのデータを上海で収集し、鈴鹿に向けたシミュレーションに反映させる作業を進めている。

2026年のアクティブエアロでは、ストレートでウイングがフラット(低抵抗)になり、ブレーキング時にハイダウンフォース形態に戻る。この前後の切り替えタイミングが合わないと、一瞬だけフロントかリアのどちらかに偏ったダウンフォースが発生し、車体が不安定になる。マカレナウイングはフラップの回転角度が大きいため、通常型よりもこの同期精度がシビアになる。

なぜ鈴鹿なのか

マカレナウイングの最大の利点はドラッグ(空気抵抗)の削減であり、ストレートスピードの改善が期待される。鈴鹿サーキットは長いストレートと高速コーナーが組み合わさったレイアウトで、空力効率が直接ラップタイムに影響するコースだ。フェラーリにとって、マカレナウイングの効果を最大限に発揮できる舞台といえる。

マカレナウイングはまだ開発の第1段階にあり、まず標準型の動作を安定させることが先決だという。さらなる進化形は、基本形が機能してからの話となる。

メルセデスとの差を埋めるために

開幕2戦を終え、フェラーリのSF-26はシャシーと空力面でメルセデスW17に匹敵する、あるいはそれ以上のポテンシャルを見せている。しかし、ストレートでの差が依然として大きく、中国GPではラップあたり約0.4秒の差がついた。そのうち約0.3秒はストレート区間で失われたものだ。

パワーユニット面では、フェラーリの067/6エンジンはメルセデスに対し推定20〜25馬力のビハインドがあるとされる。メルセデスはエンジンが高温時に圧縮比を上げて運用している可能性が指摘されており、6月1日まで室温で圧縮比を測定するというレギュレーションの隙間を突いた手法だ。さらにメルセデスは、大型タービンによるピークパワーの向上と、スーパークリッピングと呼ばれるストレートでの余剰パワーを使ったバッテリー充電手法を組み合わせ、総合的な優位を築いている。

スーパークリッピングとは、ストレートで内燃エンジンに余剰パワーがある場合、そのパワーの一部を使ってバッテリーを充電する手法。トップスピードは犠牲になるが、次のコーナー立ち上がりで使える電気エネルギーが増えるため、ラップ全体で有利になる。2026年のバッテリーとエンジンの出力比率が50:50になった新時代では、このエネルギーマネジメントが勝敗を分ける重要な要素。

モンツァでのフィルミングデーも計画

フェラーリはさらに、4月のカレンダー空白期間を利用し、モンツァ・サーキットでフィルミングデー(最大200km走行のプロモーション走行枠)を実施する計画を立てている。バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止により生まれた5週間のブレイク期間を活用する形だ。

モンツァが選ばれた理由は明確で、F1カレンダーで最もストレートが長いサーキットのため。長い全開区間ではバッテリーの充電が追いつかなくなる問題が顕著になるため、通常とは異なるパワーユニット仕様のテストに最適な環境となる。低速域のパワーをやや犠牲にする代わりに、ストレートでのスーパークリッピング性能を高めたエンジンセッティングを試す狙いがあるという。

また、マカレナウイングの構造的な信頼性確認もこのテストの目的に含まれており、マイアミGPに向けた大型アップグレードパッケージの検証も行われる見込みだ。

今後の注目ポイント

  • 日本GP(3月27〜29日):マカレナウイングがFP1で再びテストされるか、さらに予選・決勝で実戦投入に踏み切るか
  • 4月のモンツァ・フィルミングデー:マカレナウイングの信頼性確認と、パワーユニットの新仕様テストの成果
  • マイアミGP(5月4日):フェラーリの大型アップグレードパッケージがメルセデスとの差を縮められるか
  • ハンガリーGP前:フェラーリがパワーユニットの本格的なアップデート(ADUOによるエンジン回収プラン)を投入する可能性

出典:AutosportPlanetF1

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