【海外の反応】「排気口前のウィング」でフェラーリは直線8〜10kW失ってる

2026年のプレシーズンテスト、バーレーン2回目でフェラーリが持ち込んだ「謎のパーツ」が、熱い議論を呼んでいる。排気口のすぐ前に据えられ小さなウィング(通称「FTM」または「フロー・ターニング・デバイス」)だ。

狙いは排気ガスを利用したダウンフォース生成。ホットな排気ガスをリアウィング下面に吹き付けることで追加のダウンフォースを得ようというアイデアで、2010年代初頭にレッドブルがベッテル時代に駆使した「ブロウン・ディフューザー」の現代版といったところ。

ところがライバルチームの分析では、このウィングが排気の背圧(バックプレッシャー)を増やしてエンジン出力を下げているという指摘が浮上。ある試算では直線で最大10kW(約13馬力)のパワーロスとされ、「フェラーリは意図的にパワーを抑えて、シーズン中のPUアップグレード枠(ADUO)を獲りに行ってるんじゃないか?」という陰謀論まで飛び出す始末。

ADUO(Additional Design and Upgrade Opportunities)は、2026年レギュレーションでPU性能が遅れていると認定されたメーカーに追加開発枠が与えられる制度。フェラーリは現在メルセデスPUに対して最大0.8秒/ラップの遅れとされ、チーム代表のバスールもADUO枠を活用して差を縮める意向を公言している。

そんな中、「排気口前のウィングで本当に8〜10kWも失うの?」というスレッドが立った。

「さすがに10kWはありえない」数値への反論

そりゃ多少のロスはあるだろうけど、10kWってことは絶対にない。その数字はさすがに常軌を逸してるよ。

1kWを超えるとも思えない。直線で8〜10kWも失うなんてことになったら地獄だぞ。

多少のロスはあるかもしれないけど、1kWに達するかすら怪しいと思ってる。1kWって相当な量だよ。10kWなんて、約500馬力のICEに対して5%のロスってことになる。そもそもF1の排気系はすでに高回転域のパワーに特化して短く設計されていて、チューニングも煮詰まってる。フェラーリが直線で5%のロスを容認してウィングをポンと置くなんて、そんないい加減な仕事をするわけがない。ちゃんと設計された排気系なら背圧によるロスはそもそも小さいし、多少の高回転域ロスはあるだろうけど、それはもう本当に小さい範囲の話。そもそも「バックプレッシャーでパワーが落ちる」って話は、純正排気を社外品に交換したマツダ・ロードスターみたいな市販車チューニングの文脈で出てくる話で、F1マシンは最初からパワー特化で設計されてるから同じ話は当てはまらない。

確実にそんなに大きなロスとは思わないけど、多少はあるはず。ターボと同じで、排気ガスの流れは遅くなるわけだからね。

自分は、そんなに大きな話じゃないと思ってるけどね。

「ADUO狙いの戦略」陰謀論への反応

何事もトレードオフだよ。ダウンフォースが増えればストレートで電力消費が増えて、その代わりコーナーは速く曲がれる。ダウンフォースが減ればストレートでの消費は減るが、コーナーは遅くなる。エアロパッケージ全体がドライバブルであるためのバランスの話でしかない。あと「このウィングはフェラーリがADUO制度で優遇されるためのもの」説はナシね。ADUOはICE出力をベースに判定されるもので、バッテリー消費量じゃない。そう言ってる人はレギュレーションを理解してない。

そもそも、エンジンが効いてくるフォーミュラで、なんでフェラーリがそんなに意図的にパワーを失う必要があるんだ? その「ロジック」が理解できないんだけど。

ウィングレット/ディフューザーはICEに実際に影響してるよ。そもそもICEは空気ポンプだからな。空気を吸って吐いてパワーを生む。その空気の流れを邪魔するパーツがあれば、当然エンジン出力にもマイナスの影響が出る。俺の理解では、フェラーリはディフューザー的なエアロ効果が馬力ロスを上回ると判断してこれを入れてる、という話。……で、アルミホイル帽子をかぶった陰謀論モードで話すなら、フェラーリは「エンジン単体dyno」じゃなく「車両全体のdyno」で計測されることを狙ってこのディフューザーを付けていて、ADO認定を取ったあとにこのディフューザーを外す、という長期計画なんじゃないか、という見方もある。

確かに多少はあるだろうけど、ほんのちょっとだよ。フェラーリのこのデザイン、要するに「短期的な痛みで長期的な利益を取りに行く」アプローチだろ。

結局これって、パワーを犠牲にしてでもコーナーで速くなろうって話なんでしょ(分かってる)。でも13馬力ってちょっと言い過ぎじゃない? 実際はもっと小さい気がするんだけど。

真犯人は小さなターボの方では?

正直、小さなターボの方が「より大きな」問題だと思ってるんだけどね。(ダジャレです)

みんなこれを、触媒(cat=キャタライザー)やマフラーが排気の流れを制限してパワーを下げるのと同じイメージで捉えてるんじゃないかな。まあ、そこまで大きい影響があるとは思えないけど。

「ハースも似たもの使ってるらしい」

ハースもこのウィング持ってる? 持ってないなら、フェラーリのエンジンを問題なく計測できるはずなんだよ。それなのに測らないってことは、つまりThe Raceがメルセデス寄りの記事を書いてるってことでしょ。

うん、ハースも似た仕組みを採用してる。

ハースも持ってるよ。ただし、フェラーリほど攻めたデザインじゃない。

「FIAが独立dynoで計れば済む話では?」

馬鹿な質問かもしれないんだけど、専門家がやたら「チームがサンドバッグ(本気を出してない)してる」って言うの、正直しっくりこないんだよな。FIAとFOMが全エンジンを取り外して、独立したdyno業者に測定させればよくない? 技術的に言えば、フェラーリが追加開発枠を得たあとにアップグレード版エンジンを作って、ディフューザーを外してくるなら、車両dynoじゃなくエンジン単体dynoで計測する必要がある…というストーリーは成立する。でもそれ以外で、どうしてこれが「ホットトピック」なんだろう。エンジン性能を計る簡単な方法はあるはずなのに、この煙幕はただのネット暇つぶしじゃないの?

いや、「エンジンを取り外す」って、冷却系統、エレクトロニクス、その他すべてを一緒に引き抜く必要があるのわかってる? そして車を完全に解体したあとに、各エンジンごとにdyno用のアダプターも必要になる。そんな簡単な話じゃないんだよ。

実際のところは

このサブレディットには馬鹿げた例えかもしれないけど、要するに「排気ガスがそのまま後ろに抜ける代わりに、小さなミニウィングを後ろに押してる」から、その分のパワーが消えてるって話じゃない? 1万2000rpmで回るエンジンから出るガス量を考えたら、ウィングを押すのにかなりの量が使われることになる。だから俺には別にトンデモな数字には聞こえないんだよな。

2026年のICE最大出力を約400kWとして、10kWはICE出力の約2.5%。
F1エンジンの年間開発ゲインが通常1〜2%とされるから、このデバイスで1年分のゲインを失うことになる。
10kWはさすがに大きいよな

出典:r/F1Technical、The Race

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